或る世界

2020年8月

  1. 親指を離した場所で、画面の灯りは残っていた

    親指の外

  2. 輪郭より先に、木の間から数字だけが見えた

    木の間の数字

  3. 端の白さだけが、汁を受け取る場所になった

    パンの外周

  4. 具を置く前の白さが、パンの面を先に決めていた

    白い方から

  5. 最後の一切れより先に、葉の余りが目に入った

    葉の余り

  6. 箸が触れる前に、具はもう隣り合っていた

    混ざる手前

  7. 主菜へ行く前に、絡んだ葉だけを離した

    先に離す葉

  8. 沈む明るさを、水面だけが少し遅れて受け取った

    水面だけが遅い